LDL="悪玉コレステロール" 高数値だとヨーグルトがNG? 下げる食べ物は? 消化器病専門医が解説 | オトナンサー

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LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の数値が高いとヨーグルトを食べてはいけない?

 腸内環境を整えるといわれていることから、日々、ヨーグルトを食べている人は多いと思います。ただ、健康診断でLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の数値が高いと指摘された人の中には、ヨーグルトなどの乳製品を食べてはいけないと指導されるケースがあるようです。LDLコレステロール値が高い場合、本当にヨーグルトを食べてはいけないのでしょうか。

 ダイエット外来や腸内細菌外来などを併設する、あさひの森内科消化器クリニック(愛知県尾張旭市)院長で、消化器病専門医の福田頌子さんに聞きました。

食べ過ぎなければ問題なし

Q.LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の数値が高くなるのはなぜなのでしょうか。

福田さん「そもそもLDL(低密度リポタンパク質)は、体内で主に肝臓から生成され、血液中でコレステロールを運搬する役割を果たします。LDLコレステロール値が上昇する主な理由は次の通りです」

(1)食事

高脂肪食や高コレステロール食品を摂取すると、体内のLDLコレステロールのレベルが上昇する可能性があります。特に、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含む食品はLDLコレステロールを増加させる傾向にあります。

(2)遺伝的要因

一部の人々は、家族歴や遺伝的要因により、LDLコレステロール値が通常よりも高くなる可能性があります。例えば、「家族性高コレステロール血症」と呼ばれる遺伝性の疾患があります。

(3)肥満

肥満や運動不足はLDLコレステロール値を増加させる要因となります。肥満や運動不足により、LDLコレステロールの代謝が低下し、その結果、血中濃度が上昇することがあります。

(4)喫煙

たばこを吸うと、LDLコレステロール値を増加させることがあります。そのため、喫煙は血管の健康を損ない、動脈硬化を促進させる可能性があります。

(5)糖尿病

糖尿病にかかっている人はLDLコレステロールの代謝が悪くなり、LDLコレステロール値が上昇する可能性があります。

LDLコレステロール値が高いと、血管の内壁に蓄積しやすくなり、その結果、動脈壁にプラークが形成され、動脈硬化が進行します。動脈硬化が進むと、血管が狭くなり、血液の流れが阻害される可能性が高まります。また、このプラークが破裂すると血栓ができる可能性があり、この血栓が心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞などの深刻な心血管疾患を引き起こすことがあります。

そのため、LDLコレステロール値が高い場合、一般的にはLDLコレステロール値を管理し、適切な範囲に維持することが推奨されています。

Q.では、LDLコレステロールの数値が高い場合、どのような食べ物の摂取を控えた方がよいのでしょうか。

福田さん「先述のように、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含む食品はLDLコレステロールを増加させる傾向にあります。また、高コレステロール食品や精製された炭水化物などにも注意が必要です。LDLコレステロールの数値が高いときに摂取量を減らす必要がある食品は次の通りです」

■飽和脂肪酸を含む食品

飽和脂肪酸は、肉やチーズ、バターといった動物性脂肪のほか、ココナッツオイルやパーム油などの植物油にそれぞれ多く含まれています。

■トランス脂肪酸を含む食品

不飽和脂肪酸に水素添加して生成されるものがトランス脂肪酸です。トランス脂肪酸は、LDLコレステロールを増加させるだけでなく、同時にHDLコレステロール(善玉コレステロール)を減少させる傾向にあります。

主にマーガリンやショートニングといった加工食品のほか、フライドポテトやナゲットなどのファストフード、ポテトチップスやマフィン、ケーキといったスナック菓子や焼き菓子に多く含まれています。

■高コレステロール食品

例えば、エビはコレステロールの含有量が高いことで知られています。

■砂糖や精製された炭水化物

高糖質食品や精製された炭水化物は、LDLコレステロール値を上昇させる可能性があります。これは、血糖値の急激な上昇が、脂質の代謝に影響を与えるためです。色だけを見て、精製された炭水化物と未精製の炭水化物を区別することは難しいケースがありますが、精製された炭水化物は通常、白色や淡い色で、未精製の炭水化物は、より濃い色(茶色)をしているといわれています。

Q.LDLコレステロールの数値が高い場合、ヨーグルトなどの乳製品を食べてはいけないといわれることがあるようですが、本当なのでしょうか。理由も含めて、教えてください。

福田さん「乳製品は一般的に飽和脂肪酸を含んでいるため、LDLコレステロール値を上昇させる可能性があるとされています。しかし、乳製品にはカルシウムやタンパク質など、体にとって重要な栄養素が含まれており、必ずしも避けなければならない食品ではありません。

例えば、毎日ヨーグルトを400グラム(1パック程度)食べている人と、100グラム(小さいおわん1杯分)を食べている人とでは、飽和脂肪酸の摂取量が違うと思います。食べ過ぎなければ問題はないでしょう」