「国民合意を捨てた」 戦闘機輸出解禁に見る政府自民の「国会回避」:朝日新聞デジタル

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 安全保障政策で国民の合意を得る機会を政府は捨てている――。日英伊で共同開発中の次期戦闘機の第三国への輸出解禁をめぐり、国会の審議・議決を経ずに閣議などで決定した手続きについて、安保政策に詳しい常葉大の柴田晃芳教授(政治学)はこう指摘します。そこには長らく続く政府・自民党の「国会回避」の戦略があるといいます。

 ――政府が国際共同開発の次期戦闘機の輸出を解禁しました。

 冷戦の終結後、日本は安保政策の幅を広げてきました。2012年の第2次安倍政権以降、変化がかなり早く進んだとは思いますが、21世紀の流れの一環だと私はとらえています。

 戦闘機はかなり攻撃的な兵器で、いま、共同開発に関わっていない第三国に輸出することの是非が議論になっています。ただ、この議論には特殊な事情があります。

 日本が輸出した次期戦闘機が実際に人を殺すことに使われるという単純な話ならば、国内で強い反発が出るのは当然です。ただ、戦闘機は抑止力を構成する重要な要素でもあり、また共同開発なので日本で独自に判断し切れません。日本が輸出しなくても、日本の技術を英伊がどう扱うかについて完全にはコントロールはできないでしょう。

柴田さんは、国会審議を経ずに政府が輸出解禁の決定手続きを進めたことを問題視します。同時に、「55年体制」から続く野党側の責任も指摘します。

 ――輸出解禁の制度変更は国会審議を経ず、閣議と国家安全保障会議(NSC)の決定手続きで決まりました。

 その点について、私は明白に…

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