あしなが奨学金の申請者、山形では6割「不採用」…全国で申し込み増え資金不足に

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 病気や災害などで親を亡くした子どもらを支援する「あしなが育英会」(東京)の奨学金について、山形県内でこの春高校に入学した遺児らの申請21件のうち13件が不採用になったと、同会が発表した。申請が増加して資金が追いつかず、採用数を絞らざるを得ない状況という。奨学生らは20日から、JR山形駅前(山形市香澄町)で街頭募金を行い、支援を呼びかけた。(渡辺ひなの)

 全国では、今春高校に入学した遺児らからの申請数が、前年度比で472件増えて過去最多の1800件となった。採用は同132件増加して815件となったが、採用率は同6・1ポイント減の45・3%と、半数以上が不採用となっていた。

 このうち、県内からの申請は21件(同7件増)で、採用されたのは8件(同2件減)のみ。採用率は前年からほぼ半減し、38・1%だった。同会によると、都道府県ごとに採用枠があるわけではなく、申請者全体を比較し、経済的な困窮の度合いで採用・不採用が決まるという。

 奨学金は2022年度まで、貸与が2万5000~3万円、返済義務のない給付が2万円の「貸与・給付一体型」だった。23年度から返済義務のない3万円の「全額給付型」に変更され、これにより申請者が増加。さらに、物価高騰で遺児家庭の貧困が進んでいることも重なり、申請者が増えて資金が足りなくなっているという。

 同会によると、奨学金の資金はすべて寄付で賄っている。奨学生で、あしなが学生募金事務局員の東北芸術工科大の4年生(21)は「奨学金を受け取れることで、将来の選択肢が大きく広がる。少しでも多くの人に協力してもらいたい」と話していた。