U―23日本代表、パリ懸けた大一番…相手のイラク監督は「ドーハの悲劇」メンバー

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 【ドーハ=林田晴樹】サッカー男子のパリ五輪最終予選を兼ねたU―23(23歳以下)アジア杯で、日本は29日午後8時30分(日本時間30日午前2時30分)からイラクとの準決勝に臨む。今大会の上位3チームに五輪切符が与えられるため、日本は勝てば、8大会連続の五輪出場が決まる。

イラクのサイド攻撃警戒

 イラクとは、大会開幕前の11日に非公開の練習試合で対戦。日本はボールを保持しながら決め手を欠き、相手の足が止まってきた後半にゴールを奪ったという。互いに調整段階だったため、準決勝が出場停止明けとなるDF西尾(C大阪)も「練習試合のことは(頭に)入れず、別チームだと思っている」と語る。

イラク戦に向け調整する藤田(中央)ら=松本拓也撮影

 特に警戒が必要なのが相手のサイド攻撃。「ウィングに速いパワフルな選手をそろえている印象」とFW平河(町田)が言うように、個の能力の高い選手をターゲットにした速攻を繰り出してきそう。日本は準々決勝のカタール戦でFKも含めてサイドから放り込まれた長いボールから2失点しており、ゴール前の守備の修正とともに精度の高いパスを出させないための対策も求められる。GK小久保(ベンフィカ)は「サイド攻撃をさせないなど、全員が徹底して守らないといけない」と表情を引き締める。

 カタールで行われた2016年リオデジャネイロ五輪のアジア最終予選では、準決勝でイラクを倒して本大会出場を決めており、その再現なるか。28日には公式記者会見が行われ、主将のMF藤田(シントトロイデン)は「パリ行きのことはそんなに考えたくない。やることは変えずに、自分たちにできることを徹底したい」と自然体を強調。大岩監督は「非常にいいストライカーがいるのでしっかりと注意し、準備が生きるような試合にしたい」と話した。

イラク監督「野心と責任ある」

 今大会でイラクを率いるラズィ監督は、日本がワールドカップ(W杯)出場権を目前で逃した1993年の「ドーハの悲劇」で対戦したイラク代表メンバー。公式記者会見で、「日本戦は常にハイレベルで、その結果はいつもポジティブなものを与えてくれる。パリ五輪へ行く野心とファンへの責任がある」と力を込めた。