北朝鮮労働者の人権侵害に消費者も圧力を 調査報道グループ代表 | 毎日新聞

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監督者に見守られながら丹東市にある飲食店に入る北朝鮮の女性たち。入り口には北朝鮮と中国の国旗が見られる=2023年3月©Living in North Korea/The Outlaw Ocean Project

 米国に拠点を置く調査報道グループ「アウトロー・オーシャン・プロジェクト(OOP)」は、中国の水産加工業で働く北朝鮮労働者への取材で、性暴力を含む人権侵害の実態を明らかにした。またこうした工場で生産された製品が欧米の市場に流入していることも突き止めた。OOP代表でジャーナリストのイアン・アービナ氏は、制裁回避への対抗には消費者による圧力も重要だと指摘する。【聞き手・ニューヨーク八田浩輔】

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 中国が8万~10万人の北朝鮮労働者を受け入れ、その多くが建設業や電子部品、衣料分野の製造業などに従事していることは以前から指摘されていた。ただ水産加工業における労働の詳しい実態、特に多くの女性労働者が受けた性的虐待についての告発はこれまで多くは伝えられることがなかったように思う。

 労働者を中国の水産会社に派遣するために、北朝鮮の漁業省が中国の当局と連携していることも明らかになった。さらに北朝鮮の海域でとられた水産物が中国に輸出され、混合されて追跡を難しくすることも「公然の秘密」となっている。北朝鮮産の魚介類の輸入は国連制裁で禁止されているが、安価なため中国企業が購入している。

 私たちの調査では、これらの水産加工工場と接点のあるバイヤーは米国のみならず日本や韓国にも及んでいた。すなわち私たちはこの労働者の派遣システムを通じて「安さ」という恩恵を受けている。取引先の企業でさえ、倉庫に製品が到着するまでの経路を完全に把握することは難しい。

 グローバル…