埼玉の男女共学化勧告 卒業生の見方:狭かった視野を広げてくれた一女時代 元TBSアナの青木裕子さん | 毎日新聞

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記者の質問に答えるフリーアナウンサーの青木裕子さん=東京都千代田区で2024年3月18日、玉城達郎撮影

 埼玉県では公立高校の名門に男女別学が残っている。全国的に珍しく、県の第三者機関は男女平等の観点から早期の共学化を求めた(経緯はこちら)。なにをどう議論すればよいのか。「共学で男女平等が実現するという単純な話ではないと思います」。浦和第一女子高校(一女)を卒業した元TBSアナウンサーの青木裕子さん(41)が考える「大事なこと」とは。【聞き手・山田奈緒】

一女で学べて良かった

 私にとっての受験は偏差値との闘いでした。公立高校に進んでほしいという家庭でしたので、偏差値表を見て、自分の学力ならどこに行けるのかを考えました。女子校だから、共学だからという学校の選び方ではありませんでした。

 当時の思いなのか、いま振り返っての推測なのか、よく分からない面もありますが、女子校への不安より期待が大きかったように思います。「女子だけの方が楽しいかもしれない」「恋愛がからむ面倒さがなくなるのでは」。そんな気持ちがありました。

 入学してみると、一女は「個」が尊重されていました。一女で学べて良かったと今でも強く思っていますし、感謝しています。

「いけてる女子」で高校デビュー

 高校生になる時、私はかなり気合を入れていたんです。いわゆる「高校デビュー」です。ルーズソックスのブランドやだるだる具合に細かくこだわって、紺ソックスがはやればワンポイント刺しゅうにこだわって。「いけてる女子」でいたくて、「1軍」でいることばかり考え、それだけが正解だと信じていました。

 ですが、2年生の初めのころに大きな転換点がありました。学校にあまり行きたくなくて、家を出ても引き返したり、登校しても保健室や図書室に行ったり。仲良しグループと距離ができていた時、私と普通に…