ハマス、ガザ戦闘休止でイスラエルの最新対案を検討中－報道

• 提案の検証が終わり次第回答するとハマス高官－具体的な時期示さず

• ガザの今後を協議する会合、29日にリヤドで開催－米国務長官も参加

イスラム組織ハマスは27日、２人の人質が生きている様子を映したビデオを公開した。ハマスはパレスチナ自治区ガザでの戦闘休止と人質解放に関するイスラエルからの最新の提案を検討している。一方、イスラエルは新たな大規模地上作戦を準備しており、ビデオ公開はこれを中止するよう、ネタニヤフ首相への圧力を強める狙いがあるようだ。

　　ハマスの軍事部門は、人質となっているキース・シーゲル氏（64）とオムリ・ミラン氏（47）が短い会話をするビデオを投稿した。

　　ハマスは仲介国に対し、13日に同組織の立場について伝達。イスラエルの提案は、それに対する回答だという。ハマス高官のハリル・アルハヤ氏が声明で明らかにした。ハマスは同提案の検証が終わり次第、回答する予定だとした。具体的な時期は示さなかった。

　　米国など18カ国は25日の共同声明でハマスに対し、ガザで行方不明あるいは人質となっている自国民の解放を迫った。行き詰まっている戦闘休止交渉に弾みをつけさせ、より多くの人道支援に道を開くことが狙い。ハマスは米国や欧州連合（ＥＵ）などからテロ組織に指定されている。

ハマスは人質「即時解放」を､米国など18カ国が共同声明－拘束200日超

人質の解放を求める親族や支援者のデモ（テルアビブ、４月27日）

Photographer: Jack Guez/AFP/Getty Images

　　イスラエルがガザ地区南部ラファへの地上作戦を行う計画に対し、国際社会から懸念の声が高まっている。ラファには多くのパレスチナ住民が避難しており、ネタニヤフ首相はハマスとの戦闘休止合意を求める圧力に直面している。イスラエル国内では人質解放の安否に対する懸念の高まりで新たなデモが行われた。

　　イスラエルの放送局チャンネル12によると、26日に訪問した高級レベルのエジプト代表団に対し、イスラエルは同国が大幅な譲歩をしたと述べ、今回の提案はラファへの地上作戦に踏み切る前に合意するための「最後の機会だ」と伝えたという。匿名のイスラエル高官を引用して報じた。

ガザ地区南部のハンユニス（４月26日）

Photographer: Ahmad Salem/Bloomberg

　　バイデン米大統領は27日ソーシャルメディアのＸ（旧ツイッター）で、すべての人質が解放されるまで「私は休まない」と宣言。「私は人質とその家族に約束する」とし、解放された米国籍のアビゲイル・イダンちゃん（４歳）と今週面会した写真を掲載した。

I will not rest until every hostage, like Abigail, ripped from their families and held by Hamas is back in the arms of their loved ones.

They have my word.

Their families have my word. pic.twitter.com/hRDSjsYDc9

— President Biden (@POTUS) April 27, 2024

　　米国は、パレスチナ人囚人の釈放と戦闘で荒廃した地域への人道援助増強と引き換えに、ハマスに女性や負傷者、高齢者、病気の人質を解放するよう求め、ガザでの戦闘休止を目指している。

　　イスラエルとハマスの間で進行中の協議は、米国とエジプト、カタールが仲介している。

　　サウジアラビアは、ガザの今後について協議する会合を29日にリヤドで開催する計画。ブリンケン米国務長官が出席する予定で、同長官はその翌日にイスラエルを訪問する。

　　ブリンケン氏は昨年10月のハマスによるイスラエル攻撃以来７回目となる中東歴訪で、紛争拡大を阻止するバイデン政権の取り組みを継続する。国務省のミラー報道官は27日の声明で、ブリンケン氏はリヤド滞在中に「地域の安全保障に関する協調を進めるため」湾岸協力会議（ＧＣＣ）の閣僚会議に参加すると発表した。

ガザ巡り米英やＥＵが参加し会合、29日にリヤドで開催－関係者

原題：Hamas Releases Video of Two Hostages as It Weighs Ceasefire (2)、Blinken Bound for Saudi Arabia in Latest Middle East Visit（抜粋）

(ハマスのビデオ公開とバイデン米大統領の発言、米国務省の発表を追加します)