「160円」と一斉に叫ぶ声、円乱高下に慌てるトレーダー-祝日も台無し

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アジア時間29日午前に円が1ドル=160円台に急落した時、キャピタル・ドット・コムのシニアマーケットアナリスト、カイル・ロッダ氏は、オーストラリア・メルボルンの34階のオフィスにいた。

  「さながらビンゴゲームのようだった。全員が突然、『160円』と叫んだ」とロッダ氏は振り返った。自身の周囲に陣取った6人のディーラーは円の取引が通常時の5倍前後に急増するのを目の当たりにしたといい、「全員が次に押したら買おうとしていた。売りと買いが交錯し、殺気立っていた」と当時を語った。

  円相場が最近記憶にある中で有数の激しい変動を見せた29日、メルボルンから東京まで市場参加者は臨戦態勢をとり、動きの解明に努めた。円は日本時間の午前中に1%余り下落した後で急反発に転じ、午後2時ごろまでには約2%高となっていた。

為替の異常な変動「看過できない」、介入にコメントせず-神田財務官

  34年ぶり安値に沈む円を押し上げるための当局介入を市場参加者は警戒していたが、29日は日本が祝日で、流動性に乏しいことも緊張を悪化させた。

出所:ブルームバーグ

  何がこの急変動を引き起こしたのかを巡り、臆測が飛び交っている。

  IGマーケッツは、下げから上げへの急反発は介入の「特徴が全て」見られると指摘。一方、アジアを拠点とする別のトレーダーはそうでもないとし、みずほ証券では利益確定が急激な動きの一部に拍車をかけたとの見方を示した.

  日本の当局も相場変動の背景を明らかにしようとはしなかった。円買いで市場に介入したのかとの記者団に質問に、神田真人財務官は「今はノーコメント」だと述べた。

  シンガポールのストーンXファイナンシャルの為替トレーダー、呉明賾氏は、円が反発を始めた際、この日6杯目のお茶を飲んでいた。何が起きているのか、公的な介入があったのか、はっきりとした見解を持っている者は社内に誰もいなかった。

  「何が起きているのか誰もが急いで知ろうとしたが、ほとんど手がかりなしだった。自動車事故をただ眺めているだけのようなものだ」と語った。

  東京にいたみずほ証券金融市場部の大森翔央輝チーフデスクストラテジストも、祝日どころではなくなった。円が160円に下落したことを知らせるアラートが携帯に届き、円相場を監視するためログインしたという。

  「通貨のボラティリティーが高く、日銀の政策決定などで多忙を極めた先週の後の3連休だったので、ゆっくりできそうだと考えていたが、朝にドル円が160円を超えたことでその計画はだめになった」と大森氏は語った。「映画の中に昼食をとるのは弱者だけと言う名言があったが、まさにそのような日で、ドル円が急騰してからはスクリーンに釘付けの一日となった」とも述べた。

原題:Traders Snared in Yen 'Bingo' as Manic Swings Ruin Japan Holiday(抜粋)