<独自>偽ブランド品所持疑い 東京・原宿竹下通り、ギニア人店長逮捕 販売目的

→ Оригинал (без защиты от корпорастов) | Изображения из статьи: [1] [2] [3]

竹下通りで商品のパネルを持ち客引きを行う男性=3月、東京都渋谷区(橋本愛撮影)

東京・原宿の竹下通りで、若者に人気のブランド「Stussy(ステューシー)」の偽物のパーカを販売目的で所持していたとして、警視庁生活経済課は27日、商標法違反(販売譲渡目的所持)容疑で、衣料品販売店「WEST BOY71」店長でギニア国籍の50代の男を現行犯逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。

捜査関係者によると、男はステューシーの偽物のパーカ数点を店内で販売目的で所持していた疑いが持たれている。この店を巡っては、昨年秋に修学旅行で訪れた男子高校生から「路上で声をかけられて店に案内され、値段交渉でトラブルになり怖くなってパーカを買ってしまった」と相談があったという。

竹下通りでは以前から、外国人経営の店で「客引きに連れて行かれた」「偽物を買わされた」などの通報や相談が相次ぎ、警視庁や地元商店会などが警戒していた。

若者が主なターゲットになっており、令和5年1月以降に寄せられた通報・相談件数は37件。約半数は修学旅行生だったという。

個人で輸入、止まらぬ流通

繁華街やインターネット上に氾濫する偽ブランド品は、値下げを強調して若者を狙うものや、「スーパーコピー」と精巧な偽物をうたうものも出回る。政府や権利保護団体は、法改正による水際対策強化や摘発を進めているが、個人輸入が増えており、いたちごっこが続いている。

3月下旬、春休みの若者や外国人観光客でにぎわう東京・原宿の竹下通りを歩くと、外国人の男が、ブランド衣類の写真が印刷されたパネルを見せながら、「5割引するよ」と近づいてきた。

案内されたのは若者に人気のブランド品を扱う店が集まる一角。約3万円の値札が付いたTシャツを手に取ると、男は「サービス」と5千円に値下げするという。

地元商店会によると、これらの店は、バブル崩壊後に露天商をしていた外国人が空きテナントに出店したのが始まり。対策をとってきたが、人が入れ替わるなどして営業が続いているという。

政府は偽ブランド品の流通に対抗するため令和3、4年に商標法や関税法を改正。個人使用目的であっても海外事業者の偽ブランド品を没収対象とするなど、水際対策を強化している。

財務省によると、5年に偽ブランド品など知的財産を侵害する物品の輸入を差し止めたのは約105万6千点。全て正規品だった場合は計約171億円に相当する。輸入元は中国が約8割で、ネットでの個人輸入が増えているという。

知的財産保護を行う一般社団法人「ユニオン・デ・ファブリカン」の堤隆幸事務局長は「ネットの発展が偽ブランド品の流通に国境をなくした」と話す。同団体が5年にオークションサイトなどに行った削除依頼は約55万件と10年前の約12倍。交流サイト(SNS)に広告を出している例もある。堤氏は「価格を見て安易に飛びつかず、信頼できる業者か確認して購入してほしい」と話した。(橋本愛)