「子どもの頃から自分の中には冴羽獠が住んでいると思って生きてきた」──革新し続ける俳優、鈴木亮平が役に徹底的にコミットする理由

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「役を重ねれば重ねるほど、内面と外見は繋がっていると感じます。シャープに動ける体だとシャープに動ける人の立ち方になりますし、内面に自信が宿る。体が大きくなると性格が大らかになるので、『西郷どん』撮影時の僕はまさに『よかよか』という雰囲気を醸し出していたと思います。筋肉をつけると男性ホルモンのテストステロンが分泌され活力にあふれ、極端に体を絞ると声が小さくなって気力も減っていく。役の内面を探ることが最優先ですが、その後の外見を作り上げる作業も、僕にとっては同じくらい大事なんです。

『シティーハンター』の場合は、僕は子どもの頃から自分の中には冴羽獠が住んでいると思って生きてきたので、既に内面は熟成されていました(笑)。だからこそ、自分が見ても人が見ても冴羽獠に見える体を作ることにもこだわりたかった。獠の年齢は明かされてないんですが、30代と言われていて。今回の映画は『シティーハンター』の始まりの物語なので、30代前半と想定するとある程度の若々しさは欲しい。そして、シャープなアクション、衣装とのバランス、顔の痩せ方を総合的に考えて、いわゆる細マッチョな体型を目指そうと決めました」

『シティーハンター』を前に、苦戦した肉体の再変革

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『シティーハンター』の撮影は鈴木が40代に足を踏み入れる2022年末から2023年にかけて行われた。加齢に伴う基礎代謝量の低下に加え、これまでの振り幅のある体づくりの影響によって、体を絞るのにとても苦労したと話す。「『TOKYO MER(〜走る緊急救命室〜)』の撮影を終えてからゆっくりと脂肪を落としていきましたが、ただ単に絞ればいいわけではなく、どうすれば冴羽獠に見えるかが本当に難しかった。『俺物語!!』で一度体重を増やし、『西郷どん』でさらに大幅に増やしたことで特にお腹周りが落ちづらくなりました。女性が出産を経て脂肪のつき方が変わるイメージと近いかもしれません。男性の場合、ほかの部位を鍛えて大きくすれば相対的にお腹周りは目立ちにくくなりますが、獠は服が似合うシャープな体でなければいけませんし、何より映画の舞台である新宿の街に溶け込むために格闘家のような大きな体は避けたかった。でも一番大事だと考えたのは顔です。顔がアップになったとき、輪郭がシャープでないと冴羽獠感が出ないんですよ」

体重や体脂肪などの数字には捉われない。「役に見えるかどうか」が基準