"DQウォーク"に気を取られ死亡事故も…なぜ『ながら運転』なくならないのか 専門家が指摘する理由と対策

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 2022年5月、名古屋市西区で車を運転中にスマホのゲームに気を取られ、男性をはねて死亡させた男に2024年3月、実刑判決が言い渡されました。「ながら運転」による重傷事故は増えていますが、なぜなくならないのか、専門家に聞きました。

■慌てて車線変更や規制材跳ね飛ばす車も…危険な「ながら運転」なくならない理由

 2022年5月、名古屋市西区で車を運転中にスマホゲーム「ドラゴンクエストウォーク」に気を取られ、当時55歳だった男性をはねて死亡させた元教師の男に2024年3月15日、禁固2年4カ月の実刑判決が言い渡されました。 2024年3月7日、警察庁が発表した「ながら運転」による死亡重傷事故数は 2023年1年間に全国で122件起きていて、過去最多だということです。

「ながら運転」、なぜ減らないのでしょうか。2023年にNEXCO中日本が公開した映像では、 高速道路で交通規制をしているところにトラックがスピードを落とさず突っ込んできました。

ほかにも慌てて車線変更をしたり、規制材をなぎ倒したりと、こうした事故の原因として考えられるのが「ながら運転」です。

NEXCO中日本名古屋支社の加藤健太さん: 「運転中にながら運転というかですね、スマートフォンを見られたりカーナビを見られたりというところで漫然とした運転になっているのかなと」

一般道でも「ながら運転」がないか取材しました。すると、スマホを操作しながら車を発進する人がいました。

自動車評論家の国沢光宏さんは「スマホ依存症が減っていないので、車に乗っている時もスマホをいじりたくなる人はどんどん増えている」と説明しています。

民間の調査によると、スマホに依存している実感がある人はおよそ7割で、 運転中もスマホを触るのが癖になってしまっているのではないかと国沢さんは指摘しています。 国沢さん: 「車というのは信号待ちで何もしない時間がある。その時についつい手に取ってしまうということですね」 街中で車の様子をうかがうと、信号待ちでスマートフォンを片手に持っている人や、電話でかなり話し込んでいるように見える人もいました。 信号待ちの時にスマホを操作するのは違反ではありませんが、そのまま「少しなら」と車を走らせると「ながら運転」になります。

■専門家「常時撮影して自動で取り締まりを」…「ながら運転」なくす対策は

 たとえわずかな時間でも、目を離すことには大きな危険が伴います。 国沢さん: 「1秒目を離すと、車は例えば50kmでいったら10m以上進みます。他の車が割り込んできたとか人が出てきたとか、何かあった時に対応できない」 車は時速40キロで走っていた場合、2秒で22メートル、時速60キロでは33メートルも進みます。その間に何か起きても、目を離していたら対処できません。

「ながら運転」を減らすために、できる対策はあるのでしょうか。 国沢さん: 「常時撮影をしていて、自動的に取り締まりをする。最近の車の中には、ドライバーの目線をずっと追っているカメラが付いている車があるんですね。そのカメラを使って、前を向いていなければ警告を出す。(ながら運転で)人身事故を起こしたときの罰則は最大限になる可能性があります。自分の安全も人に危害を加えないためにも、絶対にながら運転はしない方がいいと思います」 2024年3月22日放送