テスラの自動運転技術に新たな難題、米当局が「基本的な問題あり」との調査結果

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またNHTSAの調査は、オートパイロットでは競合他社の製品と比べてドライバーが自らハンドルを操作しようとしても反応が鈍かったとも結論づけている。こうした設計上の仕様は、ドライバーが積極的に運転しようとする意欲を削ぐものだと、NHTSAは2年近くに及んだオートパイロットに関する調査の総括に記していた。

規制当局は新たな調査も開始

これらの事故が発生したのは、テスラが今年に入ってからリコールと無線アップデートによるオートパイロットのソフトウェア更新を実施する前のことだ。しかし、規制当局はこの調査を終了すると同時に新たな調査も開始した。

今回の調査対象は、2月に実施されたテスラのソフトウェアアップデートだ。ドライバーがオートパイロットを誤用したり、実際に稼働しているタイミングを誤認したり、あるいは稼働が想定されていない場所で使用したりする事態を防ぐために、十分であったかどうかが調べられている。

この再調査が開始される前の先週、ワシントン州でテスラの「モデルS」がオートバイに衝突し、運転手を死亡させる事故が発生した。モデルSのドライバーによると、事故当時はオートパイロットが動作していたという。

規制当局は今回、ドライバーがリコールによる修正の一部を選択的に使用することができ、一部を容易に取り消すことも可能というテスラの声明についても調査する予定だ。

テスラによると、リコール後に実施された今回のアップデートには、オートパイロットの動作中に求められるドライバーの注意要件の厳格化や、ドライバー監視して表示する警告(「道路に注意を払ってください」など)の大型化、システムがドライバーの不適切な使用を発見した場合に機能の使用を制限する一時使用停止ポリシーなどが含まれる。

「テスラはドライバーの監視について真剣に取り組むべきです。オートパイロットの使用は、そこで機能するようにつくられている道路に限定してもらいたいと、声を大にして訴えたいのです」と、自律走行車の安全性などを研究しているカーネギーメロン大学工学部教授のフィル・クープマンは言う。もっと真剣にテスラが介入しなければ、今後何年にもわたって調査とリコールが繰り返されることになりかねないと、クープマンは指摘する。

なお、消費者情報誌『Consumer Reports』で自動車安全性を担当する専門家たちは、テスラのリコールによるアップデートはオートパイロットの誤用を防ぐものではないと、今年2月に判断を下している。

最悪のタイミングでの調査

ここ数年で最悪の売上高と収益の伸びに直面しているこの電気自動車(EV)メーカーにとって、今回の新たな調査は最悪のタイミングで開始されたといえる。テスラは昨年秋に規制当局に提出した書類において、オートパイロット機能と、バッテリー駆動EVの航続距離の表示方法について、米司法省の調査を受けていることも明らかにしている。

このタイミングもまた、テスラにとって非常に厄介である。テスラは現在、自動運転の自律性をさらに推し進めようとしているからだ。

4月23日に開催した投資家向け決算説明会で、最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスクは最近の業績悪化に動じている様子を見せなかった。それどころか、自律走行に対するテスラの取り組みと、完全自律走行による配車サービスの運営計画に焦点を当てている。

「本当のところ、わたしたちは人工知能(AI)やロボット工学の会社と考えられるべきです」と、マスクは語っている。「テスラを普通の自動車メーカーと同じように評価するなら、それは根本的に間違った考え方です」