阪神の強さが凝縮された7回の攻防 守備で足を止め、攻撃で足を生かした 必然の2試合連続1点差勝利 - スポニチ Sponichi Annex 野球

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 【畑野理之の談々畑】7回の攻防に、阪神の強さがあった。2―3の7回表、加治屋蓮が先頭の丸山和郁に四球を与えたが、1死後、打者・村上宗隆のカウント1―1からの二盗をアウトにした。投球は125キロのカーブでヤクルトベンチにいいタイミングで仕掛けられた格好だが、梅野隆太郎が阻止。スタートを見て捕球時にはもう腰を上げて送球体勢に移行しており、しかもストライク送球だった。

 嶋田宗彦バッテリーコーチ 緩いカーブだったんだけど、捕ってからも素早かったし、送球もベースの上で、全てに満点。流れを変える最高のプレーだった。

 1点ビハインドで2番手で登板した加治屋は6回を3者凡退に抑えており、2イニング目の7回も結果的に3人で終わらせた。この「加治屋の23球、2回無失点」をこの試合の最大の勝因に挙げた。

 安藤優也投手コーチ うん、加治屋のピッチングが大きかったね。梅野にも助けられたけど、バッテリーのおかげ。

 阪神が7回の攻撃に入る前、本紙評論家の矢野燿大氏がテレビの解説で「こういうプレーが、よく流れを変える」と指摘し、その通りになった。7回裏、2死一、二塁から大山悠輔が遊撃後方に打ち上げた。明らかなミスショット。しかし、何が起こるか分からない。左翼ドミンゴ・サンタナの前にポトリと落ちる逆転の左前2点打となった。上空に吹く風が味方したのは、もうこの頃には決して偶然には思えなかった。

 本紙評論家の赤星憲広氏がよく言っている。「盗塁は成功するとチームに勢いがつくけど、失敗すると逆に勢いを止めてしまう恐れもある」――。

 ヤクルトは当然、リードを2点に広げたかった。仮に丸山和の盗塁が決まって4番・村上のバットで追加点を奪えていれば赤星氏の言う通り、流れは一気に傾いていただろう。

 逆に、見逃せないのは大山の安打で一塁から生還を果たした森下翔太の全力疾走だ。勝ち越しの1点は単なる強運で転がってきたものではなく、やるべきことをやってつかんだといえる。2試合連続の1点差勝利は、そのまま今の阪神の強さだと思う。